薬剤師のための円満退職のポイントと、私の退職ストーリー。退職理由の上手な伝え方など

薬剤師の円満退職

薬剤師の泉水です。

今回は、薬剤師の退職にまつわる話です。おそらくこの記事にたどり着く方は、すでに現職を辞めるお考えを持っているものの、ちゃんと辞められるのかな、すごい引き止めに合うんじゃないかな?なんて伝えれば良いのかな?などなどでお悩みの薬剤師ではないかと思います。

分かります。退職を切り出すのって、勇気がいるんですよね……。

さて私ですが、こちらの記事でも書いたんですが(あとプロフィールにも書いているんですが)、過去に3回転職をしています。つまりそれだけ退職交渉を経験しています。で、これまで特段のトラブルもなく退職できています。加えて、現職ではキャリアアドバイザーとして、転職が決まった方に対する退職のサポートも行っています。

今回はそのあたりの経験をふまえて、薬剤師が円満退職をするためのコツについてお伝えしたいと思います。

薬剤師・泉水の退職ストーリー

……と言えるほど大それたものでも正直無いんですけど、まず私の退職がどんな感じだったかを最初にお伝えしたほうが色々と分かりやすいと思うので、ちょっと恥ずかしいんですがざざっと書いてみますね。

1社目、スギ薬局の退職

最初は新卒で入った、スギ薬局ですね。ここが職歴としては一番長くて、9年働いて辞めています。

スギ薬局を辞めることを考えた最初のきっかけは、ずっとスギ薬局の中にいると、スギ薬局じゃないと使えない人間になってしまうのではないか?と思ったことでした。個としてもっと能力をつけたい、特別な能力がほしい、そういうことを考えるようになっていました。

その折、スギ薬局で教育をもともとやっていた方に、新たなところで教育をメインに一緒に仕事をしないか?ということでお誘いをいただきました。それは私のやりたいことでもあったので、そのような目標を持ってスギ薬局の退職を決意しました。

スギ薬局を退職するとき、私は店舗業務以外にもほかの業務がいくつか重なっていて、傍から見てもかなり多忙でした。それもあって、あいつ疲れたんじゃないか?病んでるんじゃないか?と思われていたようで、退職を切り出したときは「とりあえず1ヶ月、お休みしてみたら?」と提案されました。そして、1ヶ月有給消化をさせていただいて、その間に会社ではもう少し楽に仕事ができる店舗への配置換えなどを検討していただいていました。

しかしそもそも私が退職を考えた理由は疲れたとか、メンタルをやってしまったとかではなく、他にやりたいことができたからだったので、けっきょく退職の意思は変わらずそのまま退職となりました。

2社目、リファラルで入った会社の退職

というわけで、2社目はリファラルで入ったんですが、そこで実際にやりたかったことができたかというと、社内政治的なものに押されて結局できなくて。情けない話なんですが。

で、そんなこんなで5年くらい働いたタイミングで、私を紹介してくれた方が転職をすることになってしまって。

そのときの私の退職は、その方がもう辞めてしまったので、いずれ私も辞めてしまうだろうと会社側も思っていたようで、「辞めます」と言ったところすんなり辞められました。特に引き止められることもなく、理由を深く聞かれることもなく、スッと辞めました。

3社目、大手紹介会社を使って入った会社の退職

その次は、大手の紹介会社、マイナビさんを使って転職をしました。そのときは、やりたいことというのが特になかったのと、その1年ぐらい前に結婚もしたので、家庭を重視する方向にシフトしようと考えて条件メインで転職しました。

ところが入社したタイミングで家族の介護問題が発生し、その店舗への通勤が難しくなってしまいました。また、勤務されている方はとても良い方ばかりでしたが、今まで勤務してきた企業との社風の違いにも大きなギャップを感じ、結果として2ヶ月半という早期で退職してしまいました。

ちょうどその折、前職(スギ薬局)時代の上司である弊社MCSの岡本に誘われまして。「また岡本さんと働きたいな」と思ったのと、薬局というシフトががっちり決まっているところより自由度の高い営業職で、以前経験していた採用の仕事も活かせる場所という事で、現職であるMCSに転職する運びとなり、現在に至ります。

トラブルなく退職するためのポイント

以上が私の退職ストーリーですが、見ていただいて分かる通り、特段なんのトラブルも起きていません……。

基本的に「辞められない」ということは起こらないのです。日本は雇用される側が法律でかなり手厚く保護されていて、退職する旨を決められた期日より前に伝えれば、雇用する側はそれを拒否できません。極端な話、「出社は今日まで。明日から有給消化でそのまま退職します」というのも、法的には何の問題もなくできてしまいます。

しかし、です。退職自体は問題なくできたとしても、その後の転職でトラブルになることは有り得ます。また、特に考えなく退職理由を伝えてしまったことで、退職交渉の際に言いくるめられてしまい、けっきょく転職できなかったという事例もあるようです。

以降は、そういった退職にまつわる不慮のトラブルに合わないための方法についてお伝えします。

半端な気持ちで退職を切り出さない

退職申請は一度切り出してしまうと、無かったことにはできません。職場に退職意思を伝える前に、本当に転職するべきなのか?改めて考えてみてください。そして「絶対に退職する」という意思が固まってから、退職を切り出しましょう。間違っても「退職しようかどうか迷っている」ような状態で、退職を切り出してはいけません。

なぜなら、自分の意思が固まっていないと、引き止めがあった場合に迷いが生じてしまうからです。

管理職は、基本的には「辞めてほしくない」と思っています。そりゃあそうですよね、新規に採用する場合、人材紹介会社経由だと100万円を超える追加費用が発生することもありますから。

また、退職交渉の経験もあなたよりもよっぽど豊富です。同じようなケースを幾度となく経験しています。そして、あなたの曖昧な気持ちを見抜いて、様々な引き止め策を使って考え直すように説得してきます。「よくやってくれていたので非常に期待していた。何とか会社に残ってほしい。」このような思いがけない評価の言葉をもらって、つい気持ちが揺らいでしまうかもしれません。

そして、退職交渉の結果職場に残ったとしても、そのとき退職しようとした事実はまず、何らかの形でまわりに知られてしまいます。それによって職場に居づらくなり、より不本意な形で退職することになるかも知れません。

半端な気持ちで転職しない

中途半端な考えで退職を切り出すもう1つの弊害は、新しい職場で何か嫌なことがあった時に、また「会社を辞めたい」とくじけてしまいやすくなることです。

会社を辞めるのは簡単なことですが、転職するのはそんなに簡単ではありません。

私は初めての転職のとき、スギ薬局で6年間はたらいて、ある程度自分の実績というか、薬剤師としての自分に「そこそこ行けるだろう」という自負を持っていました。そして転職先は調剤薬局ということで、そんなに仕事の内容は変わらないだろうと想像して、気楽に構えていました。

しかしいざ転職してみると、スギ薬局で経験していた面のドラッグと、転職先の大型総合門前ではまったくやり方が違う。例えば、そのとき私はずっと紙薬歴しか使っていなかったんですが、それがデジ薬歴になったり。レセコン一つ違うのでもかなりストレスがありますし、薬の配置も、扱っているジェネリックの銘柄も、在庫管理のやり方も、すべてにおいて指針がまったく違うので、慣れるまではかなり大変でした。そして、想像していたよりもうまくできなかった自分にもちょっとショックを受けました。

ということで、このようなこともあるのだと心得ていただき、辞めても後悔しないという自信ができてから、退職を切り出していただくことをおすすめします。

退職理由はなるべくポジティブな内容にする

退職理由の伝え方は、正直に話した方がいいのか、どうしたら納得してもらえるか?など、転職を考える薬剤師にとっても頭を悩ませるポイントかと思います。

退職を決意したということは、会社や職場への不満があるケースが多いわけですが、それをそのまま退職理由として会社側に伝えるのはやめましょう。

なぜなら、「その辞めたい理由を解消すれば残ってくれる」と会社側が考え、具体的な改善策を提示しながら説得してくるからです。例えば、給与が不満なら上げる、仕事がきついなら勤務時間を見直す、人間関係が辛いなら店舗異動する、など。それであなたが納得するなら職場に残るという選択肢もありますが、改善内容を示された以上、本当は辞めたいのに「辞めたい」と言い切れなくなり、ズルズルと辞められなくなることもあるのです。

よって、もし退職したいという固い決心ができているなら、会社には、引き止めることができないポジティブな理由を伝えるのがポイントです。

たとえば、

  • ここではできない、やりたい仕事がある
  • 環境を変えて学びたい
  • もっと大きな会社を経験したい
  • 今よりも地域密着の小規模薬局で働きたい

など。

退職後の未来がはっきりと見えていることを示し、あなたの前向きな覚悟が伝われば、会社としても「そう言わずにウチに残ってくれよ」とは言いづらくなります。

なお、どうしてもポジティブな退職理由を作れない場合、嘘を付くという手も一応、、、、あります。「親の介護が必要になった」など。ただ原則、辞めておきましょう。嘘がバレたときの心象がものすごく悪くなるからです。

また、このとき「後任が決まるまで待ってほしい」と相談されることもあります。しかし、何もしないとこの後任というのはいつまで経っても決まりません。そこで、新しい就業先から内定をもらって入社日が決まっているのであれば「新しい職場から○月○日入社ということでもう内定を貰っているので……」と伝えてしまいましょう。

波風を立てて辞めない

これ、信じられない方も居ると思うんですが、退職することが決まったあとで、勤務態度がものすごく悪くなる方がたまにいらっしゃいます。

  • 俺、辞めてやるんだぜ、と吹聴する
  • モノを蹴ったり、投げたりする
  • 辞めるからその仕事はしない、などと言う

常識のある方は当然こんなことはしないと思うんですが、ここまでいかなくても、退職が決まってちょっと気持ちが緩んだり、浮ついたりすることってあると思っていて。で、そういうのって周りが敏感にキャッチしちゃうんですよね……。

これの何が問題かというと、辞めるときの言動って、みんなの記憶にすごく残りやすいんです。

そして狭い業界なので、元いた会社の人とまたどこかで一緒に働くことになることが普通にあります。そうすると、気持ちよく働けなくなったり、最悪「あの人は採用しないほうが良い」といって転職が上手くいかなくなる可能性もあります。もともと違う会社だったのが、合併して同じ会社になった、とか。同じ薬剤師会に所属していて、前職と現職の上が仲良しだった、とか。そういうのがいくらでもあるわけです。

前項で、転職理由をポジティブにしたり、嘘をつかないほうが良いとお伝えしたのは、このあたりも理由としてあります。

なので当たり前だと思うんですが、立つ鳥なんとかと言われる通りで、波風を立てずに気持ちよく辞めるようにしましょう。

退職を伝える時期は、なるべく早めに

退職の意思を伝える時期ですが、まずは会社の退職日に関する就業規則を確認しましょう。なお民法上の規定では、正規雇用の場合は2週間前までに伝えれば良いことになっていますが、通常は引継ぎに必要な期間を考慮して、退職希望日の1〜2ヵ月前に申し出るのが望ましいです。

私が転職したときも、期日はなるべく早めに言うようにしていました。特に2社目は、薬局長と管理薬剤師、あと実務実習指導薬剤師で学生も担当していたので、学生の実習が終わるまでで、かつ仕事が引き継げるというので、前もって3ヶ月前ぐらいに言ったという感じです。そこは気を遣いました。

薬剤師の現場は基本、人手不足のため、繁忙期はできるだけ避けた方がよいでしょう。ただし、内定先が欠員補充などで急ぎ入社してほしいこともあるため、やむを得ず忙しい時期に退職する場合は、早めに退職意思を伝えて後任の調整を進めてもらいます。

円満退職を目指すのなら、「もう辞めるので後のことは関係ない」と考えるのではなく、上司や同僚に大きな負担をかけないよう配慮することが大切です。

まとめ

というわけで、まとめると下記のようになります。

  • 引き止めに合ったり、転職先で嫌なことがあっても気持ちが揺らがないよう、覚悟を持って退職の意志を伝えよう
  • 引き止めにくくするために、退職理由はポジティブな内容にしておこう
  • 狭い業界なので、また一緒に働く可能性を考慮して気持ちよく辞めよう

辞めたいということは、いまの職場に何かしら不満があって辞めるというケースが大半かと思うわけですが、それでも今の私のように、かつての同僚とまた一緒に働くことになる可能性が十分にあることを考えると、やはり円満に退職するというのは大事ですね。

どうかヤケにならず、有終の美を飾っていただきたいと思います。

なお、どうしてもポジティブな退職理由が作れないとか、あるいは絶対に辞めさせてくれなそう……など、薬剤師の退職にまつわるご相談も随時受け付けておりますので、ぜひ弊社LINEよりお気軽にご連絡ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です