薬剤師の星谷です。
みなさんは調剤併設ドラッグストアへの転職を考えたことはありますか?中途薬剤師の転職業界では“調剤併設ドラッグストア”を希望される割合はかなり少ないと言われています。ドラッグストア業務もあるんでしょ?営業時間が長いんでしょ?土日祝日も働くんでしょ?とりあえずなんか大変そう!そんなイメージではないでしょうか?
でもちょっと待って!!!それだけで、就職先候補から排除してしまうのは“もったいない”ですよ!今回の記事は、調剤併設ドラッグストアの魅力を再認識していただき、みなさんの転職先の候補の一つとしていただけたらと思います!
目次
昔のイメージに囚われていませんか?新・調剤併設ドラッグストアイメージ!
わたしが学生だったかれこれ15年程前・・ドラッグストア=体力勝負!処方箋なんてこないでしょ!というのが定番だったと思います。昔のドラッグストアをご存じの方はご納得いただけるかと思います。
しかし、その後・・ドラッグストアは時代の流れとともに進化。第一類医薬品がでてきたり、かかりつけ薬剤師という加算がでてきたり、在宅医療が当たり前になってきたり・・。数年ほど前までは、新卒薬剤師さんはドラッグストアへの就職は数%でしたが、現在6年生の薬剤師さんは調剤薬局と同じくらいの人数が調剤併設ドラッグストアへ就職を希望しているそうです!これは奨学金問題も多少あるかもしれませんが・・調剤併設ドラッグストアを選ぶ学生さんは“かかりつけ薬剤師”を目指しているそうですよ!
新卒薬剤師さんの“かかりつけ薬剤師”のイメージは門前薬局ではなく、地域にある誰でも気軽に入れるドラッグストアなのかもしれません。みなさんは調剤併設ドラッグストア=地域の“かかりつけ薬局”のイメージはあるでしょうか。
ここがつらいよ・・調剤併設ドラッグストア!
調剤併設ドラッグストアの魅力をお伝えする記事であるのですが“悪いところがない”とは言いません。こんな理由で調剤併設ドラッグストアを辞めた・・そんな部分もしっかりお伝えしていきたいと思います!
処方箋・・こないじゃん!
理由で退職を決意される方もいます。調剤併設ドラッグストアは多くの場合、近隣に病院があるとは限りませんので、処方箋の応需については読めないことが多いです。調剤薬局ならば火曜は先生がたくさんいるから混む、木曜は比較的閑散としている・・のようなことが分かると思いますが、調剤併設ドラッグストアにはそのような予測はできません。
ただ、患者さんは“○○さんという薬剤師さん”を頼りする、○○さんに会うこと、薬や健康を管理してくれることを目的に来局してくれることが多いです。調剤併設ドラッグストアには指名される薬剤師になれる可能性が大いにあります♪使命されるなんて薬剤師冥利に尽きませんか?
この処方箋何!?医師との関係作りが大変・・
調剤併設ドラッグストアは面で処方箋を受けることがあるので、見たことのない処方を目にすることが多くなると思います。病院・医師への疑義紹介・・初めての病院に問い合わせをするのはどんな医師がいるのか?ドキドキしますよね。また、病院の営業時間外に処方箋をお持ちになる患者さんも多く、すぐにお薬を渡せない・・患者さんにクレームを受ける・・そんなことも起こり得ます。慣れない疑義紹介、患者さんのクレーム・・避けたい=面応需の薬局は嫌だ!
でも、薬剤師なんだから色々な処方箋をこなせて当然でしょ?なんて正論を言ってもしかたないのですが(笑)ここでできるか、できないか・・チャレンジするか、しないかで薬剤師としての能力に差がでるのではないでしょうか?私は面分業も門前薬局も対応してきましたが、私がいた門前には小児科が全く来ないところで5年もいたら小児科の処方を受けることがとても怖くなりました・・。この組み合わせありだっけ?この量って大体何キロの子供?門前だったころは小児科をはじめ偏りなく処方を受けていたので、こんな戸惑いはなかったのですが、できない自分にびっくりです。そう・・慣れなんです。初めは色々な処方に戸惑うかもしれませんが、その戸惑いからの学びは大きいと思います!
とにかく在庫管理がめんどくさい!
“この薬ない”・・面分業である調剤併設ドラッグストアにはよくあることの一つです。“は?なんで薬局なのに薬無いんだよ!”私が受けた患者さんからの一言です(笑)一般の方から考えると、全国どこの処方箋も受け付けるって言ってるんだから薬あって当然でしょ?と考えてしまうのは分かります。この件については、患者さんのご納得いく対応をお話するしかないでしょう。これもある意味慣れだと私は思います。あまり機会がないと、慌ててしまうと思いますが、説明する順序、真摯な対応をきちんとマスターすれば落ち着いて対応できます。
また、あー・・この薬期限間近だよ、これ全部で5万くらいするんだけど・・なんて、一度処方された薬が二度と処方されないことも。なかなか在庫管理に骨が折れます・・。しかし、調剤併設ドラックストアの在庫管理は昔と比べ自動発注になったり、勝手に不動薬を抽出してくれて薬の移動を促してくれたりと進化しています。ドラッグストアだけでなく調剤薬局も上手くシステム化されているところも多いと思います。昔よりは楽になりましたよね。
営業時間長くない?
みなさんが一番ネックとしているのは勤務時間ではないでしょうか?土日も営業、夜22時まで・・土日どちらかと祝日がお休みの方、閉店が18時までの方から考えるとありえない!ですよね。もし土日祝出勤、夜中までの勤務を遂行するとなると、お子様がいるご家庭では、ご夫婦・家族の協力なしに出来かねる状況でしょう。
でも、薬剤師だって医療人でしょ?医師や看護師と同じように24時間患者さんと向き合う必要があるんじゃない?なんて・・またもや正論を掲げてみましたが(笑)現実的に考えると実現が難しい方が多いと思います。
しかし、下記の内容でも取り上げるのですが薬機法改定での「地域連携薬局」の薬剤師として勤務していくのには、今後24時間対応が求められていくと予想されます。働く時間について薬剤師の変化が求められていく・・のかもしれませんね。
コロナ禍でも安定!長く安定して働きたい方にオススメしたい理由
今回の世界的なコロナ感染拡大で生活スタイルを変えなくてはならず、まだ慣れない日々を過ごしている方が多いと思います。そんな中で薬剤師の職場、病院、薬局、調剤併設ドラッグストアそれぞれ大きな変化があったでしょう。病院ではコロナ患者の受け入れ等で通常の入院患者、手術患者の減少で経営が悪化・・薬剤師も出勤を制限される、通常の給与額が払えずWワーク可とされているところもあると伺います。調剤薬局や調剤併設ドラッグストアでは処方日数が長くなり利益減少、オンライン対応という新しい方法が始まり業務が煩雑になり大変になったとも伺います。
どこもマイナスの話ばかりですが、経営面=安定を考えるならば、調剤報酬だけが収入ではない生活必需品を取り扱うドラッグストアは誰がみても安定ではないでしょうか!今後、2025年に向けて高齢化が進み、その後何も対策がなければ日本の人口そのものが減るので調剤報酬が増える見込みはないでしょう。そうなると、調剤報酬以外に収入の柱がある調剤併設ドラッグストアは安定です。
長く安定して同じ会社で勤めたい方には私は強くオススメしたいです。
薬機法改定&コロナ禍から考えるドラッグストアの魅力
今回改定された薬機法では薬局機能の認定制度がありますよね。「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」、この2つに属せない薬局はどうなるか・・おそらく淘汰されていくのではないかと予想されます。
現状、専門の薬局については癌のみしか専門の提示がされていないのでかなり狭き門です。地域連携薬局は医療連携施設と連携して在宅医療に携わっていくものです。こちらの認定だと現実味がありますよね。
さて、この在宅ですが私は在宅立地にある調剤併設ドラッグストアが有利ではないか?と考えます。その【理由①】コロナでオンライン診療のハードルが下がった=門前薬局にいく必要性はなくなり自宅近くの薬局を利用する!【理由②】気軽に入れるドラッグストア=相談しやすい環境がある【理由③】在宅で必要な品物が手軽にそろう!
施設在宅では関係ないかもしれませんが、ご自宅で介護をされている方は、近くに気軽に相談できる専門家がいるのは大きなメリットがあると思います。処方箋じゃないんだけど、気になることを話したい・・介護用おむつってどの商品がいいの?とろみ剤はどれがいい?使い方は??・・このようにより患者さんや介護される方の生活に寄り添えるのが調剤併設ドラッグストアの在宅だと思います。
しかし・・正直、自分が介護の利用者で在宅医療で決まったお金(限られた金額)を払うのならば・・、看護師さんと薬剤師さんどっちのサービスを受けたいのか?と聞かれると、薬の管理より処置をお願いしたい!と看護師さんを選んでしまうと思います。また、まだまだ多職種の方に薬剤師さんって何ができるの?ということが伝わりきっていないようにも感じます。利用者さんはもちろん、多職種の方にも在宅で“薬剤師必要!”と思ってもらえる働き方をしていきたいですね。
まとめ
- 調剤併設ドラッグストア=かかりつけ薬剤師としての活躍の場!
- マイナス面もちろんあります!でもそれはどの職場も一緒
- 在宅は薬剤師として生き残るために必須!
みなさんのドラッグストアイメージは最新でしたか?ドラッグストアに限らず、病院も調剤薬局も調剤報酬改定等の影響でどんどん変わっていますので、自身のイメージモア最新のものにアップデートしていく必要がありますよね。また、どの職場にもメリットデメリットがあります!メリットばかりしか見えてこない・・紹介会社さんが良いことばかりしか言ってこない・・そんな時は要注意です。しっかりデメリットも把握して考えていきましょう。
【薬剤師転職緊急事態宣言!】の記事でも紹介しましたが、これからの薬剤師には在宅業務は必須です!しっかり将来を見据えた企業を見極めていきましょう!調剤併設ドラッグのことがもっと知りたい!コロナなどで将来が不安・・どうしたら良いか・・そんな時は弊社お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください!