問題
添付文書の警告欄に「投与開始前」に肝機能検査、腎機能検査、血液検査等を実施するよう記載されている薬をすべて選べ。
- ラミシール錠(テルビナフィン塩酸塩)
- リウマトレックスカプセル(メトトレキサート)
- ユリノーム錠(ベンズブロマロン)
- カロナール錠(アセトアミノフェン)
- メルカゾール錠(チアマゾール)
解答
1,2
解説
私が解説します!
解説者:鈴木 達也
ラミシールは重篤な肝障害および汎血球減少・無顆粒球症・血小板減少が発現する恐れがあるため、リウマトレックスは腎機能低下患者では副作用が強くあらわれることがあるため投与前および投与中に前者は肝機能検査と血液検査、後者は腎機能検査を行うよう警告に記載されています。
1,2以外の薬も重篤な副作用の予防や早期発見のため警告やその他の項目に注意喚起がなされているので注意が必要です。
特に、ユリノームは2000年2月に緊急安全性情報が出されており、劇症肝炎の早期発見のため警告欄に「投与開始後少なくとも6か月間は必ず定期的に肝機能検査を行うこと」とあるので、新規に服用を開始した患者に対してはフォローが必要になります。
また、メルカゾールは無顆粒球症に関して2004年2月にブルーレター、2007年11月に警告が新設され注意喚起がなされているので、ユリノーム同様に注意が必要です。こちらは「少なくとも投与開始後2か月間は原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施」とあるので、処方日数や受診間隔、検査の実施状況、自覚症状の有無等の確認を確実に実施することが求められます。
なお、カロナールは重篤な肝機能障害を発現する恐れがあるため、高用量(1日1500mg超)で長期投与する場合には定期的に肝機能等を確認するよう警告欄に記載されています。
<参考>
各添付文書
ユリノームの緊急安全性情報
チアマゾールによる無顆粒球症の防止・早期発見について(PMDA)