薬剤誘発性高血圧の原因薬剤とその対処法<難易度:中>

問題

薬剤誘発性高血圧の原因薬剤とその対処法の組み合わせが正しいものをすべて選べ

原因薬物 高血圧への対処法
1 NSAIDs NSAIDsの減量・中止、ARBの投与、使用中の降圧剤の増量
2 三環系抗うつ剤、SNRI 三環系抗うつ剤、SNRIの減量・中止、α遮断薬の投与
3 エストロゲン エストロゲン製剤の中止、ACE阻害薬/ARBの投与
4 甘草 甘草含有漢方薬の減量・中止、MR拮抗薬の投与
5 シクロスポリン β遮断薬の投与、β遮断薬とCa拮抗薬の併用

 

解答

2,3,4

解説

私が解説します!
解説者:鈴木 達也
薬剤師。求人サイト「キャディカル薬剤師」を運営する株式会社MCSのキャリアアドバイザー。MCS所属キャリアアドバイザーの教育を目的とした社内セミナー「薬剤師塾」、およびMCSが提供する教育研修サービスの講師も務める。講師歴10年。

1.「ARBの投与」ではなく、「Ca拮抗薬の投与」

5.「β遮断薬の投与、β遮断薬とCa拮抗薬の併用」ではなく「Ca拮抗薬の投与、Ca拮抗薬とACE阻害薬の併用」

 

<参考>

高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)にはNSAIDs、甘草、グルココルチコイド、シクロスポリン、タクロリムス、エリスロポエチン、経口避妊薬、交感神経刺激作用を有する薬物、がん分子標的薬などによる薬剤誘発性高血圧について、考えられている機序および有効性が報告されている/考えられている対処法が紹介されています。基礎疾患によっては原因薬剤の中止や減量が難しいことが考えられるので、薬剤師としてその場合に推奨される降圧剤については把握しておきたいものです。

また、原因となる薬を新規に服用開始した場合や継続して服用している場合には、定期的に血圧を確認し、副作用として薬剤性高血圧が生じていないか確認することも重要です。

 

【参考】

高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編集)

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