【2024年版】薬剤師国家試験の最近の難易度や合格率は?2025年の国家試験はいつ?

薬剤師国家試験は、薬剤師になるためにはと売らなければならない試練ですよね。現在薬剤師で働かれている方は、大変だった記憶もあるのではないでしょうか?筆者である私も第100回の経験者なので、国家試験には大変だった思い出があります・・・笑
最近の難易度や合格率、そして出題傾向はどうなっているのか気になりますよね。

本記事では、過去10年間の受験者数、合格者数、合格率の推移を詳しく分析するとともに、最新の出題傾向について掘り下げます。また、2025年に実施予定の第110回薬剤師国家試験の日程もご紹介します。

過去10年間の薬剤師国家試験の推移

以下に、平成27年(2015年)から令和6年(2024年)までの薬剤師国家試験における出願者数、受験者数、合格者数、合格率をまとめました。

年度出願者数(人)受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
令和6年(2024年)第109回15,11813,5859,29668.4
令和5年(2023年)第108回15,33413,9159,60269.0
令和4年(2022年)第107回15,60914,1249,60768.0
令和3年(2021年)第106回15,68014,0319,63468.7
令和2年(2020年)第105回15,78514,3119,95869.6
平成31年(2019年)第104回15,79614,37610,19470.9
平成30年(2018年)第103回14,87613,5799,58470.6
平成29年(2017年)第102回14,70113,2439,47971.6
平成28年(2016年)第101回16,65814,94911,48876.8
平成27年(2015年)第100回16,54614,3169,04463.2

(出典:CES薬剤師国家試験予備校)

このデータから、合格率は概ね60%台後半から70%台前半で推移していることがわかります。特に平成28年(2016年)は76.8%と高い合格率を記録していますが、翌年には63.2%と大きく低下しています。このような変動は、試験問題の難易度や出題傾向の変化など複数の要因が影響していると考えられます。

2024年版薬剤師国家試験の難易度と出題傾向

出題傾向の全体像

近年の薬剤師国家試験では、以下のような特徴的な出題傾向が見られます:

  1. 臨床現場を意識した応用問題の増加
    基礎的な知識だけでなく、実務能力や判断力を試す問題が増えています。特に、症例を基にした問題や、患者対応を想定した設問が目立ちます。
  2. 多分野にまたがる統合的な問題
    病態生理学や薬理学、薬物動態学などの知識を融合して解答する必要がある問題が増加しています。
  3. 最新の医療トピックを反映した出題
    COVID-19関連の感染症や分子標的治療薬、免疫療法など、医療の最新動向を取り入れた出題が顕著です。
  4. 倫理観や患者対応を問う問題
    薬剤師の倫理観やコミュニケーションスキルを試す問題が増えており、単なる知識量だけでは対応できない内容が含まれています。

各セグメント別の出題傾向

  1. 基礎薬学分野
    • 化学・生物学
      基礎的な計算問題や、化学構造に関連する問題が出題される一方で、生物学では細胞生物学や遺伝子関連の設問が増加傾向にあります。
    • 薬理学
      薬物作用機序や副作用に関する応用問題が増えており、特に新薬や希少疾患治療薬についての知識が問われます。
  2. 臨床薬学分野
    • 症例問題
      症例を基にした出題が全体の約30%を占めており、患者情報をもとに適切な治療法や処方を判断する能力が求められます。
    • 薬物治療学
      抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬など、特定疾患の治療薬に関連した設問が増えています。
  3. 法規・倫理分野
    • 薬事関連法規
      新たな規制や法改正が反映されるため、直近の法律やガイドラインに関する知識が重要です。
    • 倫理観を問う設問
      医療事故やインフォームドコンセントに関する設問が増えており、薬剤師としての責任感や判断力が試されます。
  4. 実務問題
    • 調剤・投薬
      処方箋の読み取りや、調剤過程における注意事項を問う問題が増えています。
    • 患者対応
      高齢者や小児への投薬指導を想定した問題が含まれ、患者背景に応じた対応能力が試されます。

2025年の薬剤師国家試験の日程と会場は

第110回薬剤師国家試験は、以下の2日間で実施される予定です。

  • 2月22日(土)
  • 2月23日(日)

1日目(2月22日)

時間試験区分・科目問題数
9:30~11:00必須問題試験
(物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務)
90問
12:30~15:00一般問題試験(薬学理論問題)
(物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理)
60問
15:50~17:45一般問題試験(薬学理論問題)
(薬理、薬剤、病態・薬物治療)
45問

2日目(2月23日)

時間試験区分・科目問題数
9:30~11:35一般問題試験(薬学実践問題)
(物理・化学・生物、衛生)【実務】※
50問
13:00~14:40一般問題試験(薬学実践問題)
(薬理、薬剤)【実務】※
40問
15:30~18:00一般問題試験(薬学実践問題)
(病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務)【実務】※
60問

※【実務】は、実務以外の科目と関連させた複合問題として出題されます。

詳細は厚生労働省の公式発表をご確認ください。


試験会場は、現在以下の9つが予定されています。

参照:厚生労働省HP「第110回薬剤師国家試験試験会場(予定)及び試験時間等」

合格発表はいつ?

合格発表は、2025年3月25日(火)午後2時に厚生労働省のウェブサイトで行われる予定です。

まとめ

薬剤師国家試験の合格率は、過去10年間において60%台後半から70%台前半で推移しており、全体の難易度には大きな変化は見られません。しかし、出題傾向は実践力や応用力をより重視する方向にシフトしており、受験生には幅広い知識と柔軟な判断力が求められています。

特に臨床薬学分野や法規・倫理分野での実務に即した設問が増えているため、試験対策は多角的なアプローチが必要です。

第110回の薬剤師国家試験を受ける方は、試験まであと少し体調を崩さないように最後の力を振り絞って下さいね!応援しています☆

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