薬剤師の星谷です。
研修制度がよくて大手に入社したけど、そろそろ中小企業に転職しようかな!地元が良くて中小企業を選んだけど、CMを見ると大手がまぶしく見える転職しよう!そこの20代の薬剤師さん!ちょっと待ってー!もう少し一緒にじっくり考えてみましょう。良い面だけを見ての転職や目標のない転職は失敗のもとです。
メリットとデメリットを知り、そして自分のキャリアを見据えた転職ができるように一緒に考えていきましょう。
そもそも「大手」と「中小」とは?定義の確認
大手企業とは、中小企業基本法で定める中小企業者および小規模企業者に該当しない企業のことです。中小企業とは「中小企業法」にて定められていて、サービス業では常時使用する従業員の数が100人以下(小規模企業は5人以下)、小売業では常時使用する従業員の数が50人以下(小規模企業は5人以下)、または資本金・出資の総額が5000万円以下と定められています。
薬局で考えると「大手薬局」は全国に店舗がありチェーン展開である薬局、「中小薬局」はそれ以外の薬局を示すことが多いです。
大手薬局が新卒採用に力をいれていることもありますが、新卒は研修制度や知名度から大手薬局に就職することが多く、中途は中小薬局を希望する傾向にあります。
大手薬局のメリットとデメリット
<メリット>
- 教育・研修制度が整備されている
- 経営が安定していて福利厚生も充実している
- キャリアの選択が豊富
新卒が大手を選ぶ理由のひとつ、教育・研修の体制が整備されていることが魅力の一つです。調剤薬局が初めての方、ブランク明けの方には安心の体制ですね。また経営が安定しているので同じ職場で長く働きたいと考えている方にもオススメです。
福利厚生も充実しており、産休育休をきちんと取りたい人、安定・保証を重視する人にもメリットは大きいでしょう。
<デメリット>
- 異動や転勤の可能性がある
- 新しい取り組み等決断までに時間がかかる
- 細部までルール化されていて、窮屈さを感じる
大手薬局だと店舗がたくさんあるので転勤の可能性はあります。最近ではエリア限定社員というものを設けている企業は多いですが、自宅から通える範囲が90分圏内等と決められていることも多く、遠くの店舗まで通わなければならないという事も発生します。
また大手は組織が複雑で決断までに時間がかかります。新しい取り組みをどんどん進めたい!と思う人にはデメリットです。調剤のルール、服薬指導のルール等々、教育体制が確立されているためルールがたくさんあり、窮屈さを感じることもあります。
中小薬局のメリットとデメリット
<メリット>
- 裁量権がある
- 希望した地域で働ける
- 大手に比べて給与水準が高め
中小企業はある程度、現場にお任せするというところが多く、店舗ごとの裁量が認められていることが多いです。
管理者になれば、自分の考えをすぐに実行に移すこともでき、そのやりがいを求めて中小薬局に転職する方も多いです。
大手に比べ、店舗展開範囲が限られていて、大手よりは異動のリスクが少ないです。また意外と感じるかもしれませんが、給与水準が大手より高い場合が多いです。
大手は給与体制が確立され、この資格を取ったら〇〇円アップ、試験に合格したら給与アップ等というものがあると思いますが、中小ではそのような体制が曖昧な場合が多く、その人の働きぶり、成果によって給与アップなんてこともあり得ます。
<デメリット>
- 教育・研修体制が整っていない
- 場合によってはワンマン経営
- M&Aされ、雇用条件が変わる可能性がある
教育・研修体制が整っておらず、良い面もありますが、現場任せということが多く、店舗によってはしっかり教育を受けられないことがあります。新卒や初めて調剤薬局で勤務する方には不安材料になるでしょう。そして一番怖いのが、経営者がワンマンで現場の声を全く聞かない場合があるということです。社長が言ったことがすべて・・そんな環境は長く務めるにはストレスが多すぎるでしょう。また大手にM&Aされる心配もあります。M&Aされる側は、大手の制度に合わせるので給与体制や勤務体制が大きく変わってしまうというリスクがあります。
まとめ
- 良いところ悪いところどちらもしっかり見る!
- 自身のキャリアプラン、ライフプランを見据えて選ぶ!
- 信頼できる紹介会社に相談してみる
いかがでしょうか?デメリットもみて、転職先を選んでいますか?自分が叶えたいことは明確ですか?メリットとデメリットをみたら余計に分からなくなってしまった方もいるのではないでしょうか。
そんな時は、客観的視点でアドバイスをくれる紹介会社さんに相談しましょう。キャリアプラン、ライフプランを見据えた転職でお悩みの方はお問い合わせフォームへお気軽にご相談ください!