薬剤師の履歴書、職務経歴書の作り方。書類選考を通過するための考え方と、書類テンプレート

薬剤師の星谷です。

今回は、薬剤師さん向け「履歴書・職務経歴書の書き方」の話です。

今は、薬剤師でも書類がダメだと普通に落ちる時代です。人気企業や人気エリアでは、診療報酬改定の影響で既に採用抑制をはじめているところもあります。加えてコロナの影響も相まって、更にその傾向が加速しています。

私は前職で、薬剤師の採用面接の担当者を様々な場面でやらせてもらっていたのですが、書類上はパッとしないのに、面接で深堀すると優秀と感じる方が見つかる事がよくあり、「面接官が興味を持たないと能力に気付いてもらえない、もったいない書類の書き方をしている方が一定いらっしゃる」ということを実感していました。

しかし転職する方もする方で、仕事をしながら転職活動をするので、ていねいに書類を作り込んでいる余裕って正直、ないんですよね……。

そこで本記事では、一定のテンプレートを用いて、はじめて転職する薬剤師でもしっかりとポイントを押さえた履歴書・職務経歴書をかんたんに作れる方法をご案内します。

履歴書・職務経歴書サンプル

下記が、弊社MCS(キャディカル薬剤師)が薬剤師の求職者にご案内している履歴書・職務経歴書サンプルです。

作り方が分かっている、あるいはそこまで内容にこだわる必要がないという方は、こちらをお持ち帰りいただいて適宜、編集いただければ事足りるかと思います。

履歴書

職務経歴書

志望動機・自己PRの作り方

履歴書の作成にあたって多くの方が悩むのが、志望動機と自己PRの欄に何を書けばよいか?です。履歴書・職務経歴書作成の最重要ポイントですので、まずここを詳しく解説します。

応募先企業の求める人材像を調べる

多くの方がやってしまいがちなのが、自分の視点のみで志望動機などを書いてしまうことです。志望動機と自己PRの作成にあたってまず必要なのは、応募先企業の求める人材像を詳細に調査することなのです。

当たり前なのですが、採用選考において担当者が最も気にするのは「自社の求める人材かどうか」ですから、その視点を無視していてはマッチングがうまくいくはずがありません。

なお、志望度が高い企業に応募する際は通常、求められている人物像の調査をしたあと、書類作成の前にまず面接でどんな話をするかを決めます。面接では「面接官が働いてほしいと思っている場面で、期待しているレベル以上で働ける」ことを具体的に伝えることが重要であり、書類はその話をするためのツールに過ぎません。

「求める人材像」の調べ方

理想は、その会社に既に入社している友人から話を聞くことです。大手ならこれですね。会社の実際の雰囲気、人材のカラー、ホームページや求人サイトには書けないような内容についても引き出せる可能性があります。

ただ、話を聞く人と良い関係ができていないと本当のことを言ってくれなくて、上辺だけの情報しか得られないこともありますので、その点は注意が必要です。

また大手以外では、志望先に都合よく知り合いが勤務していることは稀でしょう。

その場合は、紹介会社のアドバイザーを頼ることになります。このときも、そのアドバイザーが志望先企業の「求める人材像」についてどの程度詳しいか、よく見極めることが大切です。

「求める人材像」が分からない場合

面接官が働いてほしいと思っている場面、と期待しているレベルを知ることが難しい場合は、どうすればよいでしょうか? そのときは、一般的に求められている場面とレベルを満たしていることを書類に記載しておきましょう。

具体的には、下記のような内容です。

勤務薬剤師
 地域医療体制加算の算定のために、月1件の在宅患者を自ら獲得できる
 医療機関へ月1件のトレーシングレポートを提出できる
 特定薬剤管理指導加算・吸入薬指導加算などを算定できる服薬指導・薬歴記載ができる

管理薬剤師
 上記に加え、営業利益を改善できる

もし上記が内容的に書くことが難しい場合は、もう「自分が強みだと思っているもの」を書くしかありません。

この場合も、アドバイザーとよく相談して書く内容を決めましょう。自分の強みというのは、意外と自分では気づくことができないことが多いので、多くの採用面接を見てきているアドバイザーであれば、あなたの隠された強みをうまく引き出してくれるはずです。

履歴書の使い回しをどの程度おこなうか

これまでお伝えしたように「求める人材像」に対応する志望動機などの書き方をすることを想定した場合、必然的に、応募書類は企業ごとに最適化された違うものを用意したほうが良いことになります。

しかし、正直言ってこれはかなり時間と手間がかかりますから、すべての企業でやるのは難しいです。

したがっておすすめは、最も志望度の高い企業1社か2社のみ、各企業に最適化された応募書類を作成し、残りの応募先については、使い回しを想定して作成するとよいでしょう。

志望動機・自己PR以外の細部について

その他、細かいですが、主に履歴書作成において気をつけたほうが良いと思うことを列記してみます。

日付

面接で提出するときは面接日を、郵送のときはポストに投函する日付を記載します。元号か西暦かはどちらでも構いませんが、履歴書全体で必ず統一させましょう。

証明写真

3か月以内に撮影された証明写真を使用します。服装はスーツやジャケットを着用し、正面を向いて姿勢よく背筋を伸ばして撮影します。表情が分かるように、長い前髪やサイドの髪は耳にかけるか横に流します。

女性のメイクはナチュラルメイクが基本となります。証明写真は写り方やマナーによって見た目の印象が変わってきます。清潔感とやる気が感じられるよう、気を配って撮影しましょう。

学歴

1行目の中央に「学歴」と記し、2行目から実際の学歴を書いていきます。中学校の卒業年次から記載するのが一般的です。高校以降は入学年次・卒業年次ともに記載します。

学校名・学部・学科は省略せずに記します(「高等学校」を略して「高校」とするのも不可)。元号か西暦かは、履歴書全体で統一させます。年・月のミスに気を付け、正確に間違いなく書きましょう。

職歴

学歴を書き終わった箇所から1行あけ、1行目の中央に「職歴」と記し、2行目から職歴を書いていきます。会社名や部署名は、長くても省略せずに正式名称で記載します。株式会社を(株)などと省略してはいけません。号か西暦かは、履歴書全体で統一させます。

職歴が多い場合でも、在籍していた会社はすべて記載します。退職理由は、自己都合の場合は「一身上の都合により退職」とし、会社都合の場合は「会社都合により退職」と記すのが一般的です。在職中であれば「現在に至る」「退職予定」とし、最後の行の右寄せで「以上」と記載します。

免許・資格

薬剤師免許や資格を取得した年月は必ず記載します。認定薬剤師や専門薬剤師の資格があれば、アピールになるため記載しましょう。

本人希望

勤務地、勤務時間、入社日等について、最低限譲れない希望条件があれば記載します。記載しすぎると印象が悪くなるので、本当に譲れない希望のみを記載してください。特に書くことがない場合は、空欄にするのではなく「貴社規定に従います」等を書きましょう。

なお、本当に希望がなければ、企業側のニーズが強い「土日祝・夕方以降の勤務可能」「勤務地希望なし」は記載しておくと印象が良いです。一般的に、企業側の都合に合わせられる方のほうが評価が高くなります。

まとめ

以上、簡単ではありますが応募書類作成のコツを書いてみました。

相手に合わせること。ここが一番重要なポイントですので、志望度が高い企業の応募書類を作成する際はぜひ意識してみてください。あとの部分は、些細なことというか、一般的な内容で行けると思いますので。

もちろん弊社では履歴書の添削も承れます。お困りのことがありましたら弊社お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください!

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